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オーナー通信

不動産業界ナウ!

更新日:2009年09月08日

 追い出し屋について

 最近の深刻な不況は、不動産業界にもさまざまな影響をもたらしています。

 この1、2年マスコミを賑わせている、「追い出し屋」問題もその一つではないでしょうか。この問題については、オーナーの皆様も大きな関心を持たれているのではないかと思います。

 この「追い出し屋」の問題をみていると、平成18年の貸金業法改正のきっかけとなった商工ローン業者や消費者金融による悪質な回収方法が、悪夢のように蘇ってきます。

 このような回収方法については、下級審で何度となく問題にされたにも関わらず、その後も強引な回収行為を続け、コンプライアンスを蔑ろにしたかのようなビジネスモデルは裁判所だけではなく社会的にも否定されました。その結果、その後の厳しい規制に耐え切れずに、メガバンクの傘下に入るか、廃業あるいは破綻に追い込まれた大手業者も少なくはありませんでした。

 しかし、その一方で公的保証機関(信用保証協会)と民間の保証会社が互いに切磋琢磨して、市場を健全化・活性化し国民生活に寄与する動きもみられています。

 私たちは、このような社会に否定されたビジネスモデルを周回遅れで追いかけることなく、これを他山の石とし、また良い例を取り入れなければならないと思っています。

 「追い出し屋」に関し、次のような裁判例が最近の新聞に掲載されています。

①平成21年2月17日 福岡簡裁

 いわゆる「ゼロゼロ物件」のアパートに入居した男性が、滞納した家賃を、家賃保証会社の従業員3人に午後9時から翌朝3時まで6時間に亘って取立てを受けた事案に対し、裁判所は「生活の平穏を害し、精神的苦痛を与えた」として、家賃保証会社に対し5万円の損害賠償を認めた。

②平成21年5月22日 大阪簡裁

 家賃滞納を理由に無断で玄関の鍵を2回交換され居住権を侵害された、として男性が損害賠償を求めた事案に対し、裁判所は「法律無視の鍵交換は国民の住居の平穏や居住権を侵害する違法な行為」と認定し、「家賃滞納を無視してまで居住権を認められない」とした不動産賃貸会社の主張を退け、不動産賃貸会社側に対し65万円の支払いを命じた。

 現在のところ、オーナーの皆様が管理会社に管理業務を委任されておられるようなケースでは、その責任追及の範囲は管理会社あるいは家賃保証会社に限定されているようです。

 このような状況で、国土交通省も家賃保証会社の規制を検討しているようですが、賃貸住宅市場が、重要な社会的インフラであることを考えると、前述の金融機関の取り組みは大いに参考になりますし、万一紛争になった場合の解決手段として裁判手続以外に、弁護士会などの協力を得ながら「裁判外紛争解決手続(ADR)」を検討することも研究課題の一つではないか、と考えています。

顧客管理部門 江口 正治